✅ 今週のメキシコ政治・経済・文化の注目ニュース
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✅ 今週のトピックス
皆さんこんにちは、eme (エメ) と申します。現在は日墨生としてメキシコ留学中です。
毎週日曜日〜土曜日のニュースを翌週日曜日に配信する、メキシコ時事に特化の【週刊メキシコ】第13弾をお届けします。
3月から在メキシコの商工会議所と某日系企業でインターンシップを始めてビジネスを勉強していく中で、幅広い分野の知識をどんどんアップデートしていく必要性を感じました…💦
発信を通じて皆さんに情報提供すると同時に、emeさんの中でもニュースを改めて咀嚼して、きちんと内容を理解するきっかけになると良いニャ🙂
せやね!一緒にどんどんレベルアップしていこう🔥
先週は諸事情で記事の更新が出来ずすみませんでした…💦
今週はいつもよりボリューム満点でお届けしますので、
早速始めていきましょう(^▽^)/


メキシコ政治の注目ニュース
【AMLO大統領肝いりプロジェクト、「テワンテペック地峡開発」での税制インセンティブの発表】

今週の大注目ニュースだニャ~!
メキシコ政府は6月5日、ドスボカス新製油所・マヤ鉄道・サンタルシア空軍基地と並び現政権の4大プロジェクトの1つである、テワンテペック地峡開発で計画される10カ所の工業地帯に適用される税制上のインセンティブを発表しました。
各拠点で工業団地などを開発するデベロッパーと同拠点の土地を取得した上で、特定の生産活動を行う企業には、ISR(所得税)とIVA(付加価値税)の恩典が付与される予定とのことです。
見やすいように、以下に表でまとめます⇩
①電気・電子
②半導体
③自動車(電動車)
④自動車部品・輸送機器
⑤医療機器
⑥製薬
⑦アグロインダストリー
⑧発電・配電機器(クリーンエネルギー)
⑨機械・機器
⑩情報通信技術
⑪金属・石油化学
⑫CIIT(テワンテペック地峡開発公社運営審議会)が定める他の生産活動
インセンティブ内容はこんな感じだニャ
【ISR(所得税)のインセンティブ】
➡①設立から3年間の100%免除
②その後3年間の50% or 90%の免除
③設立から6年間の設備投資の即時償却
※SHCP(大蔵公債省)が政令発効後90日以内に定める指針に基づく雇用水準を上回った企業が、90%の免税率の適用対象
※ISR法が定める償却率に関係なく、設備投資全額を当該設備を利用した初年 or 翌年への一括損金算入にすることを許可
※ISR法に基づくマキラドーラオペレーションなど他の優遇措置を併用は不可
【IVA(付加価値税)のインセンティブ】
➡政令の公布翌日から4年間、域内の取引にIVAが非課税。
経済界からは問題点を指摘する声もあるようです🤔
誘致対象の業種として自動車産業を挙げているものの、公表された税制インセンティブだけでは自動車産業の誘致には不十分との見方が強くあります。その一番の理由としては、インセンティブに適用期限が定められていることが挙げられています。ISRのインセンティブは最長6年と定められている一方、自動車産業の企業が新天地で操業をスタートし利益を計上するまでにはかなりの年月を要するため、実質的に減税インセンティブの恩恵を得られる期間は短くなってしまいます。また、業界が要求するサプライチェーン開発や人材育成にも多くの年月を要するので、最長でも6年のインセンティブのためだけにわざわざ進出を狙う企業は少ないと考えられています。
なるほどニャ!これだとメリットがあまり享受できないんだニャ~
みたいだね~。この声を受けて、AMLO大統領がどう動くか注目です👀
ソース:テワンテペック地峡進出企業への税制インセンティブを発表 – 15/06.2023 / JETROビジネス短信
メキシコ経済の注目ニュース
【5月の物価上昇率は5.84%、インフレの減少傾向は継続】
(INEGI)国立統計地理情報院の発表によるとメキシコの2023年5月のINPC(全国消費者物価指数)は0.22%低下し、5.84%と、8週間連続のインフレ減速となったことが分かりました。
価格変動が激しい農産品やエネルギー価格、公共料金を除外したコアインフレは7.39%で、全体のインフレ率低下傾向と一致しました。また非コアは前年同月比で1.24%の上昇であったものの、先月比では1.88%の減少となりました。
ちなみに「財」は先月比0.35%増(年率9.04%)、
「サービス」は0.29%増(年率5.43%)だったそうだニャ~
産業部門別のインフレ率では第一次産業が7か月連続鈍化の年率5.95%、第二次産業では3ヶ月連続鈍化の2.69%で、第三次産業またはサービス業では先月の4.79%から4.88%(どちらも年率)と上昇傾向でした。
前年比で最も上昇した項目としては「レストラン・ホテル」が10.86%、「雑貨・サービス」が9.45%、「食品・非アルコール」が9.1%でした。
たしかに旅行の時、ホテル代めっちゃ上がってたよ…😵💫
メキシコ中銀は5月18日に政策金利を11.25%で据え置くことを発表しており、政策金利引き下げのタイミングはまだ先であるとの見方が強くあります。また為替レートへの影響も強く出ていて、昨年12月頃からペソ高が常態化していて、6月14日時点では1ドル=17.11ペソを記録しています。
ペソ強いニャ~!
最近、1ペソ=8.3円とかだもんね🥲
自分がメキシコ着た時には7.1~7.2円くらいだったし、
数年前だと4円台の時期もあったらしいから、ちょっとしんどい…。
ソース:Inflación en México baja a 5.84% en mayo, reporta Inegi – 08/06.2023 / Milenio
ソース:Inflación en México se desacelera a 5.84% en mayo; liga 4 meses a la baja – 08/06.2023 / El Financiero
ソース:Inflación en mayo baja a 5.84%, su mejor nivel desde agosto de 2021 – 08/06.2023 / Alto Nivel
参考文献:Inflación liga cuatro meses a la baja; llega a 5.84% en mayo – 08/06.2023 / El Universal
参考文献:5月の物価上昇率は年率5.84%、2021年8月以来の水準に低下 – 12/06.2023 / JETROビジネス短信
メキシコ文化の注目ニュース
【スポーツにおけるメキシコの世界ランキング】

メキシコではどんなスポーツが人気なのかニャ?🇲🇽
メキシコで庶民・プロレベル両方で人気のあるスポーツのTOP3は、
①サッカー、②野球、③ボクシングと言われているよ!
特に野球は、記憶に新しい今年のWBC(ワールドベースボールクラシック)で国内の人気が爆発しましたね。今回はFIFA、WBSCなどによるランキングを基に各スポーツ界におけるメキシコの地位を明らかにしていきます(^▽^)/
①サッカー:メキシコで一番人気があるスポーツはサッカーで、最新FIFA国際ランキングによれば男子が15位、女子が35位とのこと。特に男子は過去最高が4位、最低が40位と幅があるものの、近年ではアベレージで15位と、中南米地域だけでなく国際的にも別格の強さを誇っています。(【参考】サッカー男子1位:アルゼンチン、2位:フランス、3位:ブラジル、20位:日本)
②野球:前述の通りWBCで国内人気に決定的に火が付いたことは間違いないですが、以前からメキシコリーグの質は高いと言われています。1925にリーグが創設され、過去には元DeNAの乙坂智選手など、日本人もプレーしてきています。世界ランキングでは男子が3位、女子が12位に位置しており、ソフトボールだと男子は10位、女子は6位。(【参考】野球男子1位:日本、2位:アメリカ)
③ボクシング:ルチャリブレに代表されるように、メキシコではベースとして格闘技人気も高いです。世界ランキングではアメリカに次いで2位に位置していて、最近ではワールドチャンピオンを9回も輩出しています。現役でのメキシコ人ベストボクサーはCanelo Álvarez選手です。
日本人選手もメキシコリーグでプレーしていたのは知らなかったニャ⚾
これからもスポーツでのメキシコの躍進が楽しみだね👍
ソース:Mexico Ranking / FIFA
ソース:World Rankings / WBSC
参考文献:Top 10 Best Boxing Countries in the World (Ranked) – 11/11.2022 / Way of Martial Arts
他中南米地域の注目ニュース
【DEPA(デジタル経済パートナーシップ協定)への加盟申請(ペルー)】

MINCETUR(ペルー通商観光省)は5月26日、DEPAへの加入申請を行ったと発表しました。マシュー通商観光相は「ペルーの協定加入は、わが国とDEPA締約国との間のデジタル商取引の強化やデータの越境を促進し、わが国の起業家や中小零細企業のDXに利益をもたらすだろう」と述べた上で、「ペルーにとってDEPAは、デジタル製品やサービスの貿易を促進し、世界のバリューチェーンへの参入を目指すペルーの中小零細企業に利益をもたらすカギになる」と強調しました。
そもそもDEPAってどんなのなのかニャ?
今から説明するね😉
DEPAは、国境を越えたモノやビジネスの取引での電子書類利用や個人情報保護、サイバーセキュリティー、デジタル身分証明、フィンテック、AI、ビッグデータのやり取り、中小企業のイノベーション、貿易、投資機会、デジタル格差の解消など、デジタル経済発展のための最新課題を盛り込んだ協定のことです。ちなみにMINCETUR側は「より多くの人や中小零細企業が世界経済にコミットする機会を提供するもの」とコメントしています。
DEPA(デジタル経済パートナーシップ協定)は2020年6月、チリ・ニュージーランド・シンガポールの3カ国で署名され、初期メンバーでとなった隣国チリでは2021年11月に発効しました。
追加で韓国との間で6月8日、DEPA加入交渉の実質的な妥結が発表されています!
またDEPAには、中道右派のロドリゴ・アルベルト・チャベス・ロブレス氏が昨年5月に大統領に就任したコスタリカも加入申請を行っています。コスタリカは環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP=TPP11)への加入も正式に表明しているので、今後国際舞台での露出機会が増えてきそうです。
韓国もシンガポールもチリもいるし、
これからDEPAの名前を聞くことが多くなりそうニャ~
ソース:ペルーがデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)加入を申請 – 13/06.2023 / JETROビジネス短信
今週のトピックス
【2024年大統領選挙を見据えた情勢のまとめと今後の展望】

さてお待たせしました。皆さんが今断トツで気になる話題をご紹介します!
マルセロ・エブラルド外相は6日に会見を開き、来年の大統領選挙に向けたMorenaの公認候補決定のための選定プロセスに参加し、大統領選に向けた活動に本格的に注力すると表明しました。
宣言通り、6/12日に辞職したニャ
ちなみに後任には、UNAMで生物学の学士号、ハーバード大学で行政学の修士号を取得後、国連本部やUNDP、UNEPで様々な職を歴任した経験や、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会事務局長を14年務めた経験がある在チリ・メキシコ大使のアリシア・バルセナ氏(71)が起用されることが発表されています。
さて本題の候補者選ではクラウディア・シェインバウム現メキシコシティー市長やアダン・アウグスト内相、リカルド・モンレアル上院議員など複数の候補がMorena(与党:国家再生運動)からの出馬に向けて動き出しており、現在までのメディアによる世論調査ではシェインバウム市長が一歩リードしていることが報じられています。
今後Morenaは党独自の世論調査を数回にわたり実施し、その結果を公認候補決定のプロセスに反映させ、「11月には選出候補を固める」との方針を打ち出しています。これに対しエブラルド元外相は、以前からcorcholatas(大統領選挙に野心を燃やす候補者)に、「公平な競争条件」を確保するため現在の公職を辞す義務があると要求する発言を重ねている。
corcholatasの由来が気になる方は、コチラの記事が分かりやすいニャ~
エブラルド外相の辞意発表を受け、モンレアル上院議員も翌日7日の水曜日に「大統領選に向け民主的に競争するために、時が来れば職を退く用意はできている」と辞職宣言をしています。他にも、クラウディア・シェインバウム現メキシコシティー市長やアダン・アウグスト内相も16日に辞職するとの各種報道もしっかりと出ています。
大統領選は2024年6月2日に実施予定で、法律上、公職についている候補者は同年3月7日までに辞職することが義務付けられています。Morenaとしては候補者選出に向け党が主導する世論調査を実施する前に公職辞職を求めていると報じられていて、同党は11日の日曜日に党員を招集し大統領候補の選考へのプロセスや規則、日程などを議論する見込みです。
またAMLO大統領は「選挙への介入はしない」と公言しています。
また、現ソノラ州知事であるアルフォンソ・ドゥラソ与党全国評議会会長とMorena党首のマリオ・デルガド全国執行委員会委員長は11日、与党連合内の大統領候補者を選定するための新プロセスを発表しました。
こちらも下の欄にまとめてみたニャ~
- 立候補者は最大6人、6月12日〜16日まで登録が可能で、登録日と同日に公職を辞職する必要がある。また、立候補者を支援する調査会社2社の提案書を提出する必要アリ。
- 6月19日~8月27日が候補選出のための選挙キャンペーン期間だが、大々的な宣伝広告や反民主主義的な行動は禁止。
- 8月28日~9月3日にアンケート調査を実施。さらに候補者が提案した調査企業から抽選で4社を選定し、同様のアンケート調査を加えて実施する。
- アンケート調査の結果を基に、9月6日に党公認候補(第4次変革防衛コーディネーター)を公表。
候補者の6人の構成としてはMorenaから4人(シェインバウム氏、エブラルド氏、アウグスト氏、モンレアル氏)、与党連合のPVEM(緑の党)とPT(労働党)からそれぞれ1人ずつが参加する見込みです。
今のところ連合内候補者同士の討論会などは予定されてないらしいニャ~
ソース:Tras anuncio de Ebrard, Ricardo Monreal dejará el Senado para buscar la candidatura presidencial – 07/06.2023 / Alto Nivel
ソース:Ebrard agita con su renuncia la sucesión presidencial en Morena – 07/06.2023 / El País
ソース:Foreign Minister Marcelo Ebrard announces he’ll resign Monday – 07/06.2023 / Mexico News Daily
参考文献:メキシコ外相、辞任を表明 大統領選の活動に専念 – 07/06.2023 / 日本経済新聞
参考文献:大統領選に向け、マルセロ・エブラル外相が辞任 – 15/06.2023 / JETROビジネス短信
最後に
今回は、『週刊メキシコ』第13報をお届けしました。
ここまで読んでくださってありがとうございました!!
これからも色んな記事をどんどん書いていきますニャ!
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それでは
hasta pronto,
eme-.