✅ 今週のメキシコ政治・経済・文化の注目ニュース
✅ 今週の他中南米地域の注目ニュース
✅ 今週のトピックス
皆さんこんにちは、eme (エメ) と申します。現在は日墨生としてメキシコ留学中です。
毎週日曜日〜土曜日のニュースを翌週頭に配信する、メキシコ時事に特化の【週刊メキシコ】第14弾をお届けします。
今週で商工会議所と日系企業でのインターンシップもそれぞれ終了し、7月末には帰国するため、4ヵ月間続けてきた取り組みも『今回で最終回』となります!
発信を通じて皆さんに情報提供すると同時に、emeさんの中でもニュースを改めて咀嚼して、きちんと内容を理解するいいきっかけになったニャ👍
毎週読んでくださった皆さん、これまでありがとうございました😃


メキシコ政治の注目ニュース
最終週は重要な政治ニュースが2つ飛び込んできました!
【①AMLO政権下での、政府要職に就く軍人出身者の増加傾向】

メキシコのAMLO大統領は、就任からの現在までの5年間の政権運営において、約12人もの退役将官、副将官、少将などを連邦行政機関内の要職に就任させてきたことが22日、現地紙(El Universal)の報道により判明しました。
メキシコっぽいと言えばメキシコっぽいニャ
AMLO政権は発足後、退役後のアウドマロ・サパタ少将をCNI(国家安全調査局)のトップに起用した他、2019年にはルイス・ブシオ退役大将を新設したGN(国家警備隊)の司令官に任命していて、今年の1月16日には同大将を新たにSSPC(治安・市民保護省)の公安次官に据えています。また、それにより空いたGN(国家警備隊)の司令官ポストには同日、ダビド・カンポス退役大将が任命されました。
その他にもAMLO大統領はBirmex(メキシコ生物・試薬研究所)所長やAICM(メキシコシティー国際空港)事務局長、AIFA(フェリペ・アンヘレス国際空港)事務局長などの重役に退役軍人を任命してきています。加えて6月21日にはANA(国家税関庁)長官にアンドレ・ジョルジェス退役少将を新たに任命しました。
現政権肝いりの4大プロジェクトに関しても案の定、
重役に退役軍人を起用するトレンドを踏襲しているみたいです〜
1月5日にはレイムンド・アンヘレス海軍副提督がテワンテペック地峡開発プロジェクトの責任者に就任したほか、以前はAIFA建設を担当していたグスタボ・スアレス将軍をマヤ鉄道内3区間の建設責任者に配置換えをしています。
なるほどニャ~
それじゃあここら辺にして、今週のもう一つのニュースも見てみよ〜⇩
【②大統領候補選出に向けた野党の最新動向】
PRI(制度的革命党)、PAN(国民行動党)、PRD(民主革命党)の野党連合は、次期大統領選挙を見据えて与党側の候補者選びのプロセスが発表されたことを受け、野党側候補の擁立プロセス制定のために議論を加速しています。
報道によると最終的な合意内容は6月26日に発表される見込みで、交渉に参加している某野党議員によると今回の候補者選挙では、立候補希望者に従来要求してきた100万人の支持署名を25万人まで減らすとされているそうです。PAN党員によれば、この施策は政治的に活発な社会の参加をより求め、沢山の意見を収集することで男女問わず最も競争力のある候補者を擁立し、メキシコの悪化を食い止めたいとの意図があるよう。
ちなみに与党側の候補者選出プロセスについては、
先週の記事で詳しく解説してますニャ(^▽^)/
補足ですが、MC(市民運動)が今後どのように動くかについては、
未だ明確な報道は出ていません…。
そういや、この件の情報収集してるときにこんな事があったニャ~
急に三菱商事出てきてなんでやねん!って思ったらめちゃくちゃ誤訳でした。MC(Mitsubishi Corporation)じゃなくて、MC(市民運動)ね。こういうのがあるから、翻訳サイトをちゃんと使うためにも、翻訳された内容を精査できるくらいの言語力や背景知識を身に付けておかないとな〜#メキシコ#スペイン語 pic.twitter.com/RrNkgMBIQx
— eme @外大生の言語ブログ🌎 (@eme_log) June 22, 2023
これからもしっかりと知識を身に着けていこうね🔥
ソース:Crece número de militares en puestos clave del gobierno de AMLO – 22/06.2023 / El Universal
ソース:Avanzan negociaciones para definir candidato opositor – 22/06.2023 / Reforma
メキシコ経済の注目ニュース
【熱波による電力需要高騰と、エネルギー送電網の厳戒態勢】

メキシコでは今月頭から全国的に記録的な熱波が発生しており、40℃以上を記録する州が15州以上も出てきています。それに伴って空調機能の使用が増加し、一部では慢性的な停電に陥っているとの報道があります。
暑い、暑すぎる…クーラーか、せめて扇風機でも部屋にあったらなぁ😥
— eme @外大生の言語ブログ🌎 (@eme_log) June 23, 2023
網戸もないから夜寝るとき窓開けれんし、熱中症で死んでまうわこんなん
最近…冗談抜きで死ぬほど暑いニャ🥵
CENACE(国家エネルギー管理センター)の統計によると、10%が電力網の最適運用の目安となる基準値とされている運転予備率が、今月20日では6%未満にとどまり、一日の最大需要は毎時51,368メガワットを記録したとのこと。
ミチョアカン州で起きている4日間超の大規模停電をはじめ、今までに確認されている以外にも各地で停電が起きる可能性が指摘されており、現在では厳戒態勢が敷かれています。
残り1~2週間ほどは熱波が継続するとのUNAM(メキシコ国立自治大学)の専門家の分析もあります💦
COPARMEX(メキシコ経営者連盟)のカルロス・エルナンデス氏は、メキシコで慢性的な停電が発生する原因について、電力インフラへの投資不足と、CFE(電力庁)優遇の姿勢を崩さない現政権のエネルギー政策を指摘し、「私たちが現在体験しているのは、政府が特にグリーンエネルギーへの投資を恣意的に停止させた政策の結果である」と批判しました。
現実として、家庭や企業(特に製造業)への影響も多く出ているニャ~
批判の的となったAMLO大統領は、CENACEの警告に対する言及を「問題はない」と最小限に抑え、国全体の電力供給は保障されていると一蹴し、CENACEの警戒態勢を報道し政権に批判したメディアを「扇情主義者だ」「印象操作だ」とカウンターで批判しています。
メキシコ保健省は先週金曜日の16日までに猛暑の影響で最低でも8人が死亡したとしている他、メディアでは、窓を閉めてエアコンをつけたまま夜を過ごそうとしたタバスコ州の家族3人が死亡したとの報道もなされています。
窓開けたいけど、網戸無いから蚊入ってきて全然眠られへんのよね…
ソース:A más de 45 grados y sin luz: la ola de calor pone a prueba a la Comisión Federal de Electricidad – 21/06.2023 / El Periódico de México
ソース:National power grid ‘on alert’ due to high energy demand – 21/06.2023 / Mexico News Daily
参考文献:López Obrador niega emergencia en el sistema eléctrico pese a alerta por ola de calor – 21/06.2023 / El Periódico de México
参考文献:Baja 22% tarifa eléctrica de alto consumo – 22/06.2023 / Reforma
メキシコ文化の注目ニュース
【カンペチェ州での、古代マヤ都市の発見】
古代遺跡に興味ある人にはタイムリーな話題だニャ🙂

スロベニア出身の考古学者イヴァン・シュプラジッチが率いる研究チームは、カンペチェ州南東部カラクムル市バラムク静態保護区内のジャングルで高さ15メートルのピラミッド、多数の円柱石柱、球戯場など古代マヤ文明都市のものとされる建造物を発見しました。
INAH(国立人類学歴史研究所)の発表によると、調査チームは研究に先立ち、ヒューストン大学のレーザーマッピングの専門家と協力しレーザー測量を用いて考古学的遺物が存在する可能性が高いことを確認していたという。
シュプラジッチ氏は、今回発見された遺跡は紀元前250-1000年に地域の中心地として機能していたものだと推測しています。
科学テクノロジーを駆使して遺跡調査…ロマンあるなぁ👍
ソース:Ancient Maya city discovered in Campeche – 21/06.2023 / Mexico News Daily
他中南米地域の注目ニュース
【水素開発輸出支援に2.2億ユーロ超の資金・技術協力協定の締結(チリ)】
注目の集まる水素開発の話題ニャ

ボリッチ大統領は6月14日、EC(欧州委員会)のライエン委員長と共に、再生可能な水素産業発展に向けたEU-チリ間の協力関係を定めた2つの協定に署名しました。
両協定は「グローバル・ゲートウェイ」と呼ばれる、EUの世界的な投資計画の一環です
EUはこの計画を中国の一帯一路政策への対抗策としてやってるみたいニャ
第一の協定は、「チリの再生可能な水素開発のためのチームヨーロッパプロジェクト」の立ち上げに関するもので、EUとBMWK(ドイツ連邦経済・気候保護省)がそれぞれ400万ユーロずつ出資し、チリでの再生可能で持続可能な水素経済の促進に向けた技術支援を目的としています。
第2の協定は、再生可能な水素の生産・利用に向けたプロジェクトへの開発資金を提供する「チリの再生可能な水素のためのチームヨーロッパ基金」の創設を目的とするもので、EU LACIF(EUラテンアメリカ・カリブ海開発機関)から1,650万ユーロの助成金のほか、EIB(欧州投資銀行)とKfW(ドイツ復興金融公庫)からそれぞれ1億ユーロずつ融資され、基金管理はCORFO(チリの産業振興公社)が担います。
ライエン委員長は「我々が協力して着手できる最も重要なプロジェクトの1つで、チリの水素産業発展を支援し、国内の雇用を推し進めることで、EUを含むパートナー国への再生可能な水素の輸出が促進されるだろう」とコメント。
またボリッチ大統領は協定締結について、「我が国の水素産業を促進する取り組みは、チリだけでなく世界の人々にとって朗報だ」と述べたほか、EUとの協力に関しては「チリがグリーン水素産業を促進するための手段であり、その発展は間違いなくチリ国民のQOL向上に貢献する」とコメントしました。
中南米で中国の影響力が増す中で、このEUの取り組みが今後どうなるか注目です👀
ソース:EU and Chile launch new cooperation actions on renewable hydrogen – 19/06.2023 / Brazil Energy Insight
ソース:EU、チリでの水素開発輸出を支援する2.2億ユーロ超の資金・技術協力協定を締結 – 20/06.2023 / JETROビジネス短信
今週のトピックス
【テレワークに関するNOMの公布】

STPS(メキシコ労働社会保障省)は6月8日、テレワークを行う職場で事故や疾病を防止し、安全で健康的な職場環境を促進するために安全衛生条件を定める、NOM(メキシコ公式規格)「テレワークにおける安全および健康のための条件」を公布しました。テレワーク関連の規定が2021年に追加された連邦労働法に基づき、NOM草案を公開、集計されたパブリックコメントを反映したカタチでした。
公布から180日後(12月初旬)に発効するため、テレワーク形態を許可している企業は対応を迫られています。
今回のNOMでは、雇用主側の義務として、テレワークポリシーや安全衛生条件に基づく職場環境のチェックリストを作成し、雇用主が労働者の許可を得てテレワークを行う部屋やレンタルオフィスを直接訪問し検証すること、また労働者が写真やビデオの証拠を含むチェックリストを雇用主側に自己申告し、雇用主が安全衛生条件を確認する必要があることなどが争点となっている。
さらに雇用主はテレワーク労働者に対し、人間工学に基づく椅子やテレワーク時に必要な機材などを支給し、安全衛生条件に基づく環境を整備することが義務づけられた。今後、安全衛生条件を満たさない職場ではテレワーク実施不可となる。また、今回のNOMは勤務時間の4割以上テレワークの実態がある会社に適応される。
総じて今回のNOMでは、基準となるテレワーク環境の整備のために会社に追加の金銭的・時間的コストを課すことになりました…。
労働者の個人宅を監視する…めちゃくちゃむずいニャ
ソース:テレワーク導入時に順守すべき労働安全規格を官報公示 – 19/06.2023 / JETROビジネス短信
最後に
今回は、最終回となる『週刊メキシコ』第14報をお届けしました。
約4ヵ月間、全14回にわたってお付き合いいただきありがとうございました!!これからもメキシコをはじめとする中南米情勢には注目していくので、また別の形で皆さんに最新情報を共有していこうと思っています。
ぜひ今後ともよろしくお願いします!
これからも色んな記事をどんどん書いていきますニャ!
他の記事も是非チェックしてニャ👇


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それでは
hasta pronto,
eme-.