✅ 今週のメキシコ政治・経済・文化の注目ニュース
✅ 今週の他中南米地域の注目ニュース
✅ 今週のトピックス
皆さんこんにちは、eme (エメ) と申します。現在は日墨生としてメキシコ留学中です。
先日始めた新たな取り組み、毎週日曜日〜土曜日のニュースを翌週日曜日に配信する、メキシコ時事に特化の【週刊メキシコ】第11弾をお届けします。
3月から在メキシコの商工会議所と某日系企業でインターンシップを始めてビジネスを勉強していく中で、幅広い分野の知識をどんどんアップデートしていく必要性を感じました…💦
発信を通じて皆さんに情報提供すると同時に、emeさんの中でもニュースを改めて咀嚼して、きちんと内容を理解するきっかけになると良いニャ🙂
せやね!一緒にどんどんレベルアップしていこう🔥
今週も、早速始めていきましょう(^▽^)/


メキシコ政治の注目ニュース
【「メキシコ国営航空」設立へ】
今週は、最近世間を騒がしている航空関連の話題からご紹介します。
来週は6月4日の州知事選の結果速報をとりあげる予定ニャ!
大蔵公債省は18日、国営航空会社「メキシコ国営航空」の設立を承認する決議を連邦官報に公示。2014年に倒産に至った民間航空会社「 Mexicana de Aviación(メヒカーナ航空)」を政府主導で買収の後、S.A. de C.V.(可変資本の株式会社)として設立、国防省が管轄することになりました。また資本金となっている100万ペソのうち、99%は国防省、1%は国立軍部銀行と空軍が出資し、民間航空会社と同じように、国内外向けの旅客・貨物・郵便の輸送などの業務を担います。
ちなみに国が資本参加する航空会社は、人件費の増大や組織の肥大化、それに伴う官僚主義的な姿勢による業務の非効率化などが理由で採算性に欠ける傾向が歴史的に散見されるという専門家の見方があるとJETROさんでは報じられています。また一方でレフォルマ紙では、今回新設される国営会社においても効率性を重視しない運営が予想され、設立当初から助成金の交付を視野に入れなければならないのではと懸念する見方もあるとのことです。
現在のAMLO政権下では、軍が建設事業や空港や鉄道の運営など民間と同様の事業を幅広く展開するようになってきており、市場の競争力への悪影響が懸念されています。
加えて近い将来、AICM(メキシコシティ空港)も「カシオペア」と仮称される海軍省が管轄する空港グループの傘下に入る可能性が噂されています。現在海軍省が「カシオペア」設立に向けて取り組みを進めており、年内に既存の6空港を擁するかたちで設立される予定で、そこに加えてAICMも傘下に入るのではないかとの意見も挙がっています。2022年には同じく国防省傘下に、主にAIFA(フェリペ・アンヘレス国際空港)、トゥルム空港、マヤ鉄道など戦略的インフラ設備の運営を目的として空港・鉄道の運営補助サービスを提供するグループ「オルメカ・マヤ・メヒカ」が設立されました。

AIFA、アステカ暦石が空港の中心にあったニャ~
ソース:国防省傘下に国営航空会社の設立を決議 – 26/05.2023 / JETROビジネス短信
メキシコ経済の注目ニュース
【15期連続で引き上げてきた政策金利を据え置きに】
メキシコ中銀は18日に金融政策決定会合を開催し、2021年6月~2023年3月末まで実に15回連続で引き上げてきた政策金利を11.25%で据え置くことを全会一致で決定しました。
インフレ率を指す、4月度のINPC(全国消費者物価指数)上昇率が6.25%、価格変動の大きい農産物やエネルギー、政府方針に左右される公共料金を抜いたコアインフレ率が7.67%となり、高水準ながらも低下傾向にある事を受けて「物価上昇の後退局面に入った」とし、様々な物価上昇圧力が緩和したとの認識を示しています。
一方、現在の金利水準を当面は維持する必要があるとしているため、
金利引き下げについては慎重姿勢を保持することになりました。
今後のインフレ率の見通しとしては、四半期ごとのインフレ率をわずかに下方修正したものの、依然として目標である3%±1%の範囲内に収束するのは来年第2四半期と中銀は予測していて、2023年末時点の見通しとしては4.7%になるとしています。
これまでに中銀は米国との金利差を保つことを考慮し、米国の政策金利引き上げに合わせてメキシコの政策金利を引き上げてきました。昨年の後半はインフレ率の上昇幅を大きく上回る政策金利の引き上げ幅となって、実質金利の上昇に繋がりました。その結果、ペソ建て短期国債などの利回りが引き上がり、ペソ需要を拡大し、為替相場にも影響を与えました。2023年4月時点のメキシコの実質金利は5.0%に達し、為替も1ドル=18.07ペソと2017年9月以来のペソ高水準となりました。
債務上限の問題もあって、メキシコ時間の5月30日現在では
17.69ペソにまでペソ高が進行しているニャ~!
ペソ高ってことは…アメリカへの輸出にも影響でそうね💦
家族送金も、ペソ建てにすると少なくなっちゃうニャ…
ソース:中銀、政策金利を据え置き、利上げは15回連続で停止に – 22/05.2023 / JETROビジネス短信
メキシコ文化の注目ニュース
【ポポカテペトル火山、活動活発化に伴う警戒レベル引き上げと避難準備情報】

メキシコの国立防災センターは21日、モレロス、メキシコ、プエブラの3州にまたがるポポカテペトル山の活動が活発化し、煙や火山灰、溶岩の噴出が見られるのを受けて、警戒レベルをフェーズ3(黄色)に引き上げました。半径100キロ以内に約2500万人が住んでいて、当局が周辺の住民約300万人に避難準備情報を出して警戒を呼びかけました。
自分の住んでるメキシコシティー周辺では、火山灰が原因で飛行機に遅延や欠便が出たり、また各地の自治体で学校の対面授業が中止になるなどの影響が出てました。
『ポポカテペトル』って、名前の響きは可愛いけど、1994年の噴火以来日常的に活動が続いているバリバリの活火山ですニャ
世界で最も危険な火山の1つってよく言われてるね🌋
ソース:300万人に避難準備情報、ポポカテペトル火山の活動が活発化 メキシコ – 23/05.2021 / CNN.co.jp
参考文献:ポポカテペトル山の活動活発化、警戒レベル引き上げ メキシコ – 23/05.2021 / AFPBB.com
参考文献:Reporte del monitoreo de CENAPRED al volcán Popocatépetl hoy 21 de mayo – 21/05.2021 / Gobierno de México
他中南米地域の注目ニュース
【メルコスール、カナダFTA交渉の推進で合意】
MDIC(ブラジル開発商工サービス省)は5月9日、SECEX(商工サービス貿易局)のタチアナ・プラゼーレス貿易局長がエマニュエル・カマリアナキス駐ブラジル・カナダ大使と会談を行ったことを発表しました。
2国間の貿易関係強化と、中断していたメルコスール-カナダ間のFTA交渉を推進する旨で合意し、持続可能でインクルーシブな貿易を目指して協議を継続する運びとなりました。
日本語では『メルコスール=南米南部共同市場』と主に訳されてるニャ。
外務省によると、目的・原理としては
- 域内の関税及び非関税障壁の撤廃等による財,サービス,生産要素の自由な流通
- 対外共通関税の創設,共通貿易政策の採択及び地域的・国際的な経済・貿易面での協調
- マクロ経済政策の協調及び対外貿易,農業,工業,財政・金融,外国為替・資本,サービス,税関,交通・通信などのセクター別経済政策の協調
- 統合過程強化のための関連分野における法制度の調和
の4点があるとのことです。
加盟国はアルゼンチン・ボリビア・ブラジル・パラグアイ・ウルグアイ・ベネズエラの6ヵ国、準加盟国はチリ・コロンビア・エクアドル・ガイアナ・ペルー・スリナムのこちらも6ヵ国となってるらしいニャ。
メルコスールとカナダは2018年3月にFTA交渉を開始し、これまでに7回の交渉会合を行ってきたものの、コロナ禍の影響もあり直近では2019年に開催された第7回交渉会合が最後の交渉となっていて、長らく会合が行われてませんでした。
#ahora se realiza, bajo la Presidencia Pro Tempore #Argentina, la CCLIX Reunión de la Comisión de Representantes Permanentes del #MERCOSUR, que trata temas relacionados a los proyectos FOCEM, Política de Comunicación, seguimientos de los grupos de trabajo, entre otros. pic.twitter.com/qO7Q6s99hh
— MERCOSUR (@mercosur) May 17, 2023
JETROさんによると、昨年のメルコスール4カ国(アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)からカナダ向け輸出額は63億3,260万ドルで、輸入額は58億5,690万ドル。輸出入ともに2000年以降で過去最高額を記録し、貿易黒字は4億7,560万ドルとのこと。
主な輸出品は「金」(輸出額全体の26.5%)、次いで「酸化アルミニウムおよび水酸化アルミニウム」(輸出額全体の22.5%)。加えて対カナダ輸入品では、「肥料」が66.5%と最も大きな割合を占めています。
ソース:中断していたメルコスール・カナダFTA交渉の推進で合意 – 23/05.2023 / JETROビジネス短信
参考文献:南米南部共同市場 / 外務省
今週のトピックス
【信用格付け会社2社、CitybanamexのIPO(新規株式公開)による即時影響を否定】
金融のブレイキングニュースが飛び込んできたのでお伝えしますニャ
米シティーグループは24日、メキシコのリテール銀行事業をIPOで分離撤退すると発表しました。メキシコの複数の企業と約70億ドルの売却額での交渉を進めてきたが実らず、株式過半数を公開し切り離しを図る方向に舵を切ったカタチです。IPOの実施は25年間を見込んでいて、またブルームバーグ通信は鋼鉄財閥であるGrupo Méxicoが株式の大半を獲得するとの合意に近づいていると報じられています。
2021年、CEOにジェーン・フレーザーが就任して以降、アメリカ国外の消費者向け銀行事業から撤退し経営資源を富裕層向け事業に集中させる方針を立てており今回のIPOもその一環との見方が強くあります。CNBV(国家銀行証券委員会)のデータによると、Banamexのメキシコでのシェアは4位とのこと。
ちなみに、クレジットカード事業がポートフォリオの24%を占めているらしいです(メキシコ国内2位)
信用格付け会社であるムーディーズ・インベスターズ・サービスとフィッチは25日、今回のIPOを通じての売却がBanamexの信用格付けに即座に影響を与えることはないとしました。一方で両社は、今後Banamexがシティーグループの支援を享受することができなくなることに起因する、将来的な格付け下方修正の可能性は排除していません。ムディーズは「Citybanamexは引き続き強力な競争力を享受できると推定されるため、信用力や格付けへの即座的な影響はない」としており、一方のフェッチも「シティーグループによるIPOの一件がBanamexとその関連会社らの格付けに直ちに影響を与えることは無い」と述べています。
混乱を安定させるという意図はあるにしても…
どうしてこんな断定的な発言が出来るのかニャ?
発言の根拠としてはシティーグループが「少数株主の影響を受けない限り、必要であれば適時に支援を提供する」と示していることが挙げられます。
ソース:Moody’s y Fitch descartan impactos inmediatos por OPI de Banamex – 25/05.2023 / Alto Nivel
参考文献:¿Cuál es la situación actual de Banamex, el banco que saldrá a bolsa? – 24/05.2023 / Milenio
参考文献:Fitch descarta ‘impacto inmediato’ en nota de Citibanamex tras cancelación de venta directa – 25/05.2023 / El Financiero
最後に
今回は、『週刊メキシコ』第11報をお届けしました。
ここまで読んでくださってありがとうございました!!
これからも色んな記事をどんどん書いていきますニャ!
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それでは
hasta pronto,
eme-.