✅ 今週のメキシコ政治・経済・文化の注目ニュース
✅ 今週の他中南米地域の注目ニュース
✅ 今週のトピックス
皆さんこんにちは、eme (エメ) と申します。現在は日墨生としてメキシコ留学中です。
先日始めた新たな取り組み、毎週日曜日〜土曜日のニュースを翌週日曜日に配信する、メキシコ時事に特化の【週刊メキシコ】第9弾をお届けします。
3月から在メキシコの商工会議所と某日系企業でインターンシップを始めてビジネスを勉強していく中で、幅広い分野の知識をどんどんアップデートしていく必要性を感じました…💦
発信を通じて皆さんに情報提供すると同時に、emeさんの中でもニュースを改めて咀嚼して、きちんと内容を理解するきっかけになると良いニャ🙂
せやね!一緒にどんどんレベルアップしていこう🔥
今週も、早速始めていきましょう(^▽^)/


メキシコ政治の注目ニュース
【鉱業関連の法改正】
今週の政治注目ニュースは、以前から話題に挙がっていた鉱業関連法改正の話題です。
メキシコ政府は8日、鉱業法・国家水資源法・エコロジー均衡環境保護一般法・廃棄物防止総合管理一般法の改正令を公布、翌日に施行しました。この改正は上院が4月28日に強行採決した20の法案の1つであるものの、下院では議論の後に4月21日に可決していた背景があります。加えて、行政府が3月28日に提出した法案に対して業界からの強い懸念があった結果、与党Morenaの下院議員団が改正案を一部修正しました。
主な修正内容は以下の通りニャ
- 開発コンセッション期間が行政府案の15年から30年に延長、加えて25年の更新可能に。
- 鉱業用途の水利用権の期間も行政府案の5年から同期間(30年+25年更新)に。
- 想定外産出の副産物(Li、U、炭化水素など国の占有資源は除く)は、コンセッション証書の変更で事業者が利用可能に。
- 経済相が政府機関に対し入札なしで直接鉱区を割り当てられる条項(15-BIS)は、国の占有戦略的鉱物(Li、U、炭化水素など)を開発するための鉱区のみに限定。
行政府案と比較すると柔軟になった一方、法改正の中には環境天然資源省への鉱山修復・閉鎖・閉鎖後監視計画の提出に加え、環境や地域社会への想定損害修復に必要な金額の保証の差し入れを義務付けるなど、民間への規制を強化し事業コストを増加させる要因になる内容が多く含まれているようです。
またCOPARMEX(メキシコ経営者連合会)は下院での修正を評価するとともに、上院でさらに専門家や業界の声に耳を傾けるべきと主張していたものの、上院はこれを無視した後、28日に強行採決して可決しました。
開発コンセッションが公共入札によってのみ付与されることになって、資源探査の主体がSGM(国営メキシコ地質調査所)と明確になったので、民間主体の資源探査が行えなくなるのではないかとの懸念も出ています。
更に言うと、『SGMが資源発見➡経済省による鉱区開発入札』というフローになるので、SGMの資源探査が政府の緊縮予算などを理由に停滞するシチュエーションになると鉱区入札の案件自体がなくなる可能性もあるニャ。
これによって2024年9月末までの現政権下で鉱山開発に関わるコンセッションを一切付与しないと明言しているAMLO政権に加えて、その後続政権(2024年10月以降)でも新規入札が一切行われない未来も考えられます。
ソース:鉱業関連の法改正を公布、行政府案より業界に配慮した内容に – 10/05.2023 / JETROビジネス短信
参考文献:鉱業関連法改正案に業界の批判強まる – 17/04.2023 / JETROビジネス短信
参考文献:与党議員による重要法案の強行採決に野党や経済界から強い批判 – 02/05.2023 / JETROビジネス短信
メキシコ経済の注目ニュース
【4月の全国消費者物価指数、6.25%(年率)へ、18か月ぶりの低水準】
メキシコのインフレが落ち着いてきたようです。
INEGI(立統計地理情報院)は4月24日、4月前半のINPC(全国消費者物価指数)上昇率が前年同期比6.25%(年率)と発表しました。INPC上昇率は1月から減少傾向が続いていて、3月に6%台を記録した後に4月前半はさらに0.61ポイント低下となりました。コアインフレ率も年率7.75%と、2022年8月前半以来の7%台に低下したそうです。

『Inflación Subyacente = コア・インフレ』ニャ

値下がり率順だとチリセラーノが18.07%減、電気が12.49%減、航空輸送が15.84%減、トマトが9.93%減と月次で減少している一方、値上がり順だと、昨年3月比で14.6%増のオレンジ、5.62%増のアボカド、4.72%増の鶏肉になります。
コアインフレ率も含めてインフレが収束傾向にあることを受けて、中銀のビクトリア・ロドリゲス・セハ総裁は「政策金利の引き上げ停止の可能性を評価しても驚くことではない」と発言しました。他方でセハ総裁は「中銀の金融政策における目的は物価の安定」と強調しており、いまだにコアインフレ率が相対的にみて高止まりしている中で、金利引き上げを実際に停止するのかどうかに注目が集まっています。
皆さんどう思いますか…?🤔
ソース:4月前半のコアインフレ率、2022年8月前半以来の低水準に – 08/05.2023 / JETROビジネス短信
参考文献:La inflación en México continúa su desaceleración y se ubica en 6,25% en abril – 09/05.2023 / El País
参考文献:Abril ‘sorprende’ a la inflación; llega a 6.25, su valor más bajo en 18 meses – 10/05.2023 / El Financiero
メキシコ文化の注目ニュース
【10 de mayo(母の日)に関して】

今週はタイムリーなこの話題を取り上げます!
日本は5月の第2日曜日だけど、メキシコは10日なんだニャ~
5月10日を母の日とする文化のメキシコでの起源は、ユカタン州メリダで起こったラテンアメリカ初のフェミニスト運動のひとつで、全国の女性たちが権利を求めるようになった潮流を抑制するための措置だったとして言われています。
1922年4月13日、Excélsior紙の創刊者のラファエル・アルドゥシン氏が母親の働きを称えるために特別な日を捧げようと全国的に呼びかけたことに由来すると考えられていて、その後、教育省・カトリック教会・政界各方面の指示を受け1922年から正式に祝われるようになりました。
Conaculta(メキシコ文化芸術評議会)によると、5月は聖母マリアの月で、10日は当時のメキシコの給料日だったためこの記念日になったとのことです。
INMUJERES(国立女性研究所)はm世界的な起源は古代ギリシャに遡って、「神々の母」と言われていた「レア」に敬意を表して制定されたとの解釈らしいニャ
みなさん、お母さんには感謝を伝えれましたか?🫠
ソース:Día de las Madres: Conoce cuál es su origen en México – 10/05.2021 / El Financiero
参考文献:¿Por qué se festeja el 10 de mayo y cuál es el origen del Día de las Madres en México? – 08/05.2020 / El Heraldo de México
他中南米地域の注目ニュース
【制憲評議会選で右派多数、改憲の見通しは不透明に(チリ)】
チリでは7日に新憲法草案を作成する制憲評議会選挙が行われ、左派主導による急進的な改憲案が作成されました。2019年の反政府デモを機に改憲を求める声が高まったことやその後に左派ボリッチ政権が誕生したことなどを踏まえている反面、昨年実施された国民投票ではその急進的な内容が懸念され否決に至りました。
ボリッチ政権は今年12月に新憲法草案の国民投票実施に向けて仕切り直しに動くべく制憲評議会戦に臨んだものの、以前の大統領選でボリッチ氏と戦ったホセアントニオ・カスト元下院議員の右派共和党が最多得票により23議席を獲得し、単独で拒否権を行使可能となる5分の2を上回る議席を占め圧勝するなど改憲そのものが不透明な見通しになりました。
ボリッチ政権は先月にリチウム産業の国有化を目指す方針を示したものの、前提となる改憲が危うくなったことでこちらも不透明になりました。
国際市場においては左派の退潮が鮮明になったことで急進政策転換への可能性が薄くなったたことを好意的に捉えていて、当面はペソ相場を下支えするとの見方があります。
なるほどニャ~
ソース:チリ、制憲評議会選で右派が圧倒的多数、改憲の行方は一転不透明に – 10/05.2023 / 第一生命経済研究所
今週のトピックス
【アメリカの国境管理措置「タイトル42」終了に際した動向】
直近の超ブレイキングニュースです…!!

DHS(米国国土安全保障省)のアレハンドロ・マヨルカス長官は5月10日、トランプ前政権時から導入されていた国境管理措置の「タイトル42」終了を前に、テキサス州エルパソ市など南部の国境付近に多くの不法入国者が集まっているとされている現状を踏まえて「タイトル42の終了は、国境の開放を意味しない」と改めて強調し、その上で「米国への合法的な入国経路を構築することで、合法的な経路を選ばない人々に対しては厳しい結果を負わせる」とも述べました。
USCのタイトル42は、入国者を経由した感染症の拡大を防止するため、移民の入国を制限する権限を行政府に与えるものです。トランプ政権時の2020年3月に新型コロナウイルス感染拡大を理由として発動されており、亡命申請者を米国内に滞在させず、本国へ即時強制送還する法的根拠となっていました。
この撤廃に際して、アメリカ国境に移民の方が大集中したニャ。移民の方がよく通るルート上にあって、普段はごった返しているフアレス市のセントロでは『移民が消えた』との報道もあったくらいニャ
またマヨルカス長官はDHSのアプローチが成果を上げており、これまでにキューバやハイチ・ニカラグア・ベネズエラから10万人超が合法的な経路で入国を果たす一方、2022年12月から2023年3月の間にこれらの国々からの不法入国を9割削減したとしています。
DHSと司法省は同じく10日、米国への合法的な入国経路を取らず、本国で迫害または拷問を受ける合理的な恐れがない者については亡命申請の資格がないものと考え、本国へ送還可能とみなすとの新規則を発表しました。今後は「タイトル42」に代わって有効となる「タイトル8」(行政府に対して、許可なく入国した者および米国滞在の法的根拠を確立できない者を強制送還することに加え、将来的な移民手続きも禁じるなどの権限を与えている)の下、入国拒否の場合には、少なくとも5年間は再入国が禁止されるほか、不法入国を繰り返した場合は刑事訴追の対象となる可能性があるとのことです。
- 中南米の約100カ所に合法的な入国経路に誘導するための地域処理センター開設
- 国境警備を支援する追加部隊の配備
- 不法な越境を管理する人的、物理的リソースの増加
- 税関・国境警備局(CBP)による入国手続き用アプリ「CBP One」へのアクセス拡大
- 移民に合法的な入国経路の利用を奨励する新たな規則の発行
- 不法入国につながる誤った情報拡散への対抗措置強化
移民問題を取り巻く状況は厳しくなってきてるニャ…
ソース:米国土安全保障長官、国境管理措置「タイトル42」終了前に会見、移民法改革を議会に要請 – 11/05.2023 / JETRO ビジネス短信
ソース:バイデン米政権、南部国境からの不法入国者増への対策公表 – 11/05.2023 / JETRO ビジネス短信
参考文献:México cooperará con EU para evitar violencia tras fin del Título 42; se reforzará frontera sur – 11/05.2023 / Milenio
参考文献:Cruces en frontera de México y Estados Unidos superan los 10,000 diarios antes el fin del Título 42 – 10/05.2023 / El Periódico de México
最後に
今回は、『週刊メキシコ』第9報をお届けしました。
ここまで読んでくださってありがとうございました!!
これからも色んな記事をどんどん書いていきますニャ!
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それでは
hasta pronto,
eme-.