✅ 今週のメキシコ政治・経済・文化の注目ニュース
✅ 今週の他中南米地域の注目ニュース
✅ 今週のトピックス
皆さんこんにちは、eme (エメ) と申します。現在は日墨生としてメキシコ留学中です。
先日始めた新たな取り組み、毎週日曜日〜土曜日のニュースを翌週日曜日に配信する、メキシコ時事に特化の【週刊メキシコ】第8弾をお届けします。
3月から在メキシコの商工会議所と某日系企業でインターンシップを始めてビジネスを勉強していく中で、幅広い分野の知識をどんどんアップデートしていく必要性を感じました…💦
発信を通じて皆さんに情報提供すると同時に、emeさんの中でもニュースを改めて咀嚼して、きちんと内容を理解するきっかけになると良いニャ🙂
せやね!一緒にどんどんレベルアップしていこう🔥
今週も、早速始めていきましょう(^▽^)/


メキシコ政治の注目ニュース
【2023年州知事選挙を控えたメキシコ州(Edomex)の現状整理】

Edomexは1937年以降、PRI(制度的革命党)が歴代の州知事を排出してきた流れがあるものの、複数回に渡り行われてきている最新の世論調査では今回の選挙ではMorena(国民再生運動)のデルフィナ・ゴメス候補が優勢と見られています。
ちなみに今回の選挙にMC(市民運動党)は参加しないよ。
勝てない選挙はやらないっていう方針かもね。

“Va por el Estado de México”を掲げるPRI・PAN(国民行動党)・PRD(民主革命党)の野党連合と、”Juntos haremos historia”を掲げるMorena・PVEM(緑の環境党)・PT(労働党)の与党連合の対決で、アレハンドラ・デルモラル候補(PRI)とゴメス候補(Morena)の女性候補同士の対決となり、Edomex初の女性知事が誕生する見通しです。
勝利候補には任期6年間に渡ってEdomex内の125自治体の監督権が付与されます。
ここからはメキシコ州の基礎データ、現状などを解説していくニャ。
【人口】Edomexは1600万超の人口を抱えており(人口最多はエカテペック・デ・モレロスで164.5万人)、州内平均年齢は30歳。名目上有権者数は1200万人超で、INE(選挙管理委員会)の統計で断トツトップ。
【教育】15歳以上人口の平均学歴は10.1(高校1年生終了程度)。昨年一年間の総就学者は413.1万人(小学:218.9万、中学:85.7万、高校64.7万、大学以上43.7万)。
【経済】834.2万人(全体の47%)が貧困状態にあり、極度貧困のBOP層が140.1万人(8.2%)、中程度の貧困層が694万人(40.7%)。経済活動人口(PEA)において、22年Q4の雇用者数は785万人(男性456.3万、女性328.7万)、失業率は4.46%(36.6万:男性22.4万、女性14.1万)。ちなみに非経済活動人口(PNEA)は552.5万人(男性160.2万(29%)、女性392.3万(71%))。
【治安】SESNSP(国家公安委員会)の統計によれば今年に入ってから31万57件の犯罪があり、他州との比較でワースト1位を記録(※殺人事件は252件)。性暴力問題が近年特に深刻で、昨年1月と比較し性的虐待が42.4%増(393件)、セクハラが204%増(380件)など顕著な上昇傾向がある一方、女性殺害は50%減少(7件)した。
【医療・福祉】2020年の集計データでは1126.7万人が医療サービスに加入しており、社会保険庁提供のモノ(IMSS)に598.3万人、福祉保健機構提供のもの(INSABI)に344.9万人、公務員社会保険・サービス協会提供のもの(ISSSTE)に82.8万人がそれぞれ登録している。3/14日時点のEdomexのコロナウイルス累積感染者は74.4万人で全国2番目。
コロナ期間には落ち着いていた犯罪件数が、
経済活動が再開されていく中で増えてきたとの報告もあるニャ
失業率は自分が想像してたよりはだいぶマシでした…💦
ソース:Población, economía y seguridad: radiografía del Edomex rumbo a las elecciones de 2023 – 26/04.2023 / Milenio
メキシコ経済の注目ニュース
【中国を抜き、メキシコがアメリカへの最大の商品供給国へ】
え!?中国を抜いたのかニャ?
ニアショアリングの流れで対米輸出伸びてたもんね~
2年連続で首位であった中国を抜き、2023年Q1ではメキシコが米国への最大の物資供給国となりました。アメリカの国勢調査当局によると、Q1でメキシコからアメリカへの輸出物資は1144億ドル相当を記録し、総輸入額の15.4%を占め過去最高を更新。同Q中、肝心の中国は3位に転落(997億ドル)し、13.3%に留まった。2位はカナダで1043億ドル。
2020年はパンデミックの影響もあって、一時メキシコが最大の供給国になった時期もありましたが、2021年・2022年は中国に再び首位を奪還されていました。
いうても2009年から2019年までの10年間の対米貿易額は中国が常に首位キープしてて、ホンマに圧倒的やったんやけどね。
しかしQ1の米墨貿易総額(輸入+輸出の総額)は1967億ドルで昨年同時期比8%の成長を記録しました。※米国の対墨輸出は812億ドル。
ソース:¡Toma eso, China! México la desplaza como mayor proveedor de mercancías a EU – 05/05.2023 / El Financiero
メキシコ文化の注目ニュース
【5 de mayoに関して】

5 de mayoって聞いたことある??
う〜ん、聞いたことあるような無いような…
でもとりあえずメキシコでは祝日だニャ🙂
いえす。なんで祝日なんかはこれから詳しく解説するね👍
5 de mayoは 1862年の米仏戦争におけるプエブラの戦いで、メキシコがフランスに勝利したことを記念する日です。
1861年メキシコは経済危機に襲われていて、債権国(主にはフランス、イギリス、スペイン)への利払いを停止発表。それに対し1861年末に仏英西3カ国はメキシコを武力制裁して負債の支払いをさせようとしました。
メキシコ大統領ベニート・フアレスは3国に対して、利払い停止は一時的なものであると説明し軍隊撤収の説得をしましたが、応じたのはイギリスとスペインのみでした。
フランスのナポレオン3世はメキシコにフランスの利益を優先させる帝国(後の第二次メキシコ帝国)の樹立を計画していたためメキシコ出兵に踏み切ったものの、1862年5月5日、メキシコ軍は武力に勝るフランス軍の攻撃をプエブラの地で撃退しました。
当時の仏軍は50年間無敗と言われている程、無双状態だったニャ
メキシコ軍はプエブラでフランス軍に勝利したものの、その勝利は結果的にメキシコシティへの侵攻を遅らせただけになってしまい、1年後にはフランス軍はメキシコを占領。これによりマクシミリアーノ1世がメキシコ皇帝に就きました。
その後はアメリカからの圧力が原因でフランス軍は1866年から1867年にかけ徐々に撤退し、マクシミリアーノ1世はプエブラの戦いから5年後、ベニート・フアレスにより処刑が実行されました。
プエブラの戦いの勝利はカリフォルニアやテキサスといった国境地帯のメキシコ人にナショナリズムとアイデンティティを与えたこともあって、5 de mayoは実はメキシコよりもアメリカで多く祝われています。
ソース:Cinco de Mayo’s surprise victory affected both Mexican, US history – 02/05.2023 / Mexico News Daily
参考文献:¿Qué se celebra el 5 de mayo y por qué es tan significativo? – 02/05.2022 / El Sol de México
他中南米地域の注目ニュース
【大統領選で対台湾外交維持派のペニャ元財務相が勝利宣言(パラグアイ)】
前週の記事で紹介した、『ピンクの潮流』にも関連する話題です。
台湾の外交部は1日、台湾との外交維持をアピールしていた与党コロラド党のサンティアゴ・ペニャ元財務相がパラグアイ大統領選挙で勝利宣言したことを受けて、「パラグアイの人々が民主主義の成熟ぶりを示した。自由・民主という共通の価値観に基づき、新政権と協力や交流を深める」との声明を発表しました。
現地4月30日に投開票された大統領選挙で、中国との外交関係構築を示唆していた野党の有力候補エフライン・アレグレ氏を下してペニャ氏が勝利宣言。パラグアイは今となっては南米で唯一台湾との外交関係を維持している国家となり、台湾外交部によると駐パラグアイ大使である韓志正氏が、当局を代表して祝意を表したとの事です。
直近では3月26日、ホンジュラスが台湾と国交を断交して新たに中国と関係を樹立するなど中国の攻勢がトレンドになっていました。
祭英文政権発足後の7年間で9か国が台湾と断交したらしいニャ
ソース:台湾「新政権と協力」 パラグアイ大統領選結果を歓迎 – 01/05.2023 / 日本経済新聞
参考文献:Elecciones en Paraguay: esto es lo que hay que saber – 30/04.2023 / New York Times
参考文献:ホンジュラス、台湾と断交 中国が国交結び米台にくさび – 26/03.2023 / 日本経済新聞
今週のトピックス
【重要法案の強行採決に野党や経済界から強烈な批判】
これは結構なトピックスやからしっかり読んで欲しい…
ゴクリ…。。
メキシコ連邦上院の与党議員団は4月28日、20の法案に関して野党議員の出席がない状況で採決を強行し、可決しました。多くは行政府により下院提出された法案だったものの、下院は委員会審議を経ずに与党連合の賛成多数で強行採決されて、上院に送られていました。
上院では、理事会の定員不足で機能不全に陥っている国家情報アクセス院(INAI)の理事任命を最初に行うべきと野党議員団が主張していて、27日にINAIの空席理事1人の任命投票が行われたものの、与党連合の反対多数で否決されました。これに対しての抗議で、野党議員団は上院議事堂を占拠を実行しました。
INAIの理事任命投票を再度行って、機能不全を解消できるまでは法案審議に応じない!という強い構えです。
しかし、Morenaのアレハンドロ・アルメンタ上院議長を中心に、MorenaやPTなどの与党連合議員団が旧上院議事堂に集結し、臨時議事施設と認定した上で強行採決しました。
この強行採決に対しては野党や経済界からは批判の声が上がっていて、野党第1党のPANは「法案読み上げも、議論も行わずに強行採決したのは立法プロセスに反している」とし、AMLO大統領の三権分立を無視した独裁主義の表れであるとともに、「大統領の指示に従うことしか知らない恥知らずの与党の国会議員が国会を踏みにじった」と超強烈に批判しました。PANは最高裁に対して立法プロセス違反を訴えるとして発表しています。
企業家調整評議会(CCE:日本の経団連に相当)も30日、Twitter公式アカウントで声明を発表し、立法プロセスや対話を優先せず、国の重要議題についての合意形成に全政治勢力を結集し最善を模索しようとしない最近の国会の姿勢を批判し、経済界として立法プロセス違反を認めることはできないとの立場を明らかにしました。国の発展と競争力に悪影響を与えず信頼を付与し、特に中小企業への大きな影響を回避するためにも、客観的な技術的・法的な根拠を用いて全法案を一つずつ分析することを国会議員に強く要求しました。
日本でこれやったらどんな結果になるんだろうかニャ…🤔
ソース:与党議員による重要法案の強行採決に野党や経済界から強い批判 – 02/05.2023 / JETRO ビジネス短信
最後に
今回は、『週刊メキシコ』第8報をお届けしました。
ここまで読んでくださってありがとうございました!!
これからも色んな記事をどんどん書いていきますニャ!
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それでは
hasta pronto,
eme-.