✅ 今週のメキシコ政治・経済・文化の注目ニュース
✅ 今週の他中南米地域の注目ニュース
✅ 今週のトピックス
皆さんこんにちは、eme (エメ) と申します。現在は日墨生としてメキシコ留学中です。
先日始めた新たな取り組み、毎週日曜日〜土曜日のニュースを翌週日曜日に配信する、メキシコ時事に特化の【週刊メキシコ】第6弾をお届けします。
3月から在メキシコの商工会議所と某日系企業でインターンシップを始めてビジネスを勉強していく中で、幅広い分野の知識をどんどんアップデートしていく必要性を感じました…💦
発信を通じて皆さんに情報提供すると同時に、emeさんの中でもニュースを改めて咀嚼して、きちんと内容を理解するきっかけになると良いニャ🙂
せやね!一緒にどんどんレベルアップしていこう🔥
今週も、早速始めていきましょう(^▽^)/


メキシコ政治の注目ニュース
PVEM所属議員がグリーン水素推進法案を国会提出
近年様々な政策が展開されて注目が高まってきている、
メキシコのEX(エネルギートランジッション)の話題です。
与党連合のメキシコ緑の環境党(PVEM)に所属するアレハンドラ・ラグネス・ソト上院議員は4月13日、エネルギー転換法に関しての改正案を国会に提出しました。
自然エネルギーを活用すれば他国より64%低いコストで水素生産が可能だとのデータ等を引用しており、今回の改正案はメキシコでの水素活用促進への狙いがあります。
【改正案】
XXV.グリーン水素活用の国家プログラムを策定、導入、推進し、化石燃料を利用した水素製造を制限することで、社会全体の利益を生み出し、再生可能エネルギーへの転換を推進する。
・JETROビジネス短信
・SENADO DE LA REPÚBLICA DEL H. CONGRESO DE LA UNIÓN LXV LEGISLATURA
さらに改正付則第2条ではエネルギー省が法改正施行後180日以内に「グリーン水素国家プログラム」を策定する事を規定しており、また付則第3条では、その策定後180日以内にエネルギー省が電力庁(CFE)と協力し、CFEの傘下に水素を扱う企業を設立するためのフィージビリティースタディを行うとも規定しています。
“feasibility study”(フィージビリティスタディ)っていうのは、
「新規プロジェクトの事業化ための実行可能性・採算性調査」の事だニャ
メキシコは太陽光や風力資源にも恵まれているおかげでグリーン水素エネルギーの生産ポテンシャルが高い事に加えて、製造業が集まる工業国でもあり、さらに近年のニアショアリングの流れもある故に需要面のポテンシャルもある国です。
しかし、チリやコロンビアが発表しているような国家計画やロードマップは現状未整備であり、水素利用を実際的に推進していく管轄省庁も明確ではなかったため、経済省や外務省がそれぞれの観点からロードマップ策定などを検討してきたという背景があります。
今回の改正案でエネルギー省に水素利用を推進する権能を与える(国家計画の策定を義務付ける)ことで、国家戦略としての水素推進に向けた第一歩となり得ると考えられています。
とはいえCFEの下部機関を水素推進の主体と想定しているという背景があるので、現政権下のエネルギー国有化の流れの下で、石油や電力・リチウムに加えて水素の開発までも国が独占する方向に進む可能性がゼロとは言い切れません。
しかしメキシコ憲法に民間の水素生産・利用を制限する規定は無く、転換法の改正のみで国の優先になる訳では“今のところ無い”そうです。
今後も注視していこうニャ👍
ソース:メキシコ緑の環境党の議員、グリーン水素推進法案を国会に提出 – 19/04.2023 / JETROビジネス短信
参考文献:エネルギー転換法の改正法案
メキシコ経済の注目ニュース
メキシコのクリーンエネルギー、風力・太陽光での発電減
続いてもエネルギー情勢に関しての最新ニュースです。
メキシコ競争力研究所(IMCO)のデータによると、二酸化炭素排出量の少ないクリーンエネルギーの発電量は2022年中に年率で1.8%減少し、88.8から87.2TWhとなった事が明らかになりました。主には風力と太陽光での電力発電の減少が原因で、それぞれ3.6%と4.6%の減少とのことです。
シンクタンク筋の情報によれば、2022年中に低炭素で発電された電力は発電量全体の26.1%(前年比1.4%減)で、『2024年までにクリーン技術での発電量を35%にする』と定めた国内法及びパリ協定の目標値を実質的に9ポイント下回っている事が判明しています。
その一方で化石燃料を使った方法の発電量は、17年から22年にかけて244.0TWhから246.6TWhへと1.1%増加していたらしいニャ
従来型の火力発電所で発電された電力は、2017年から2022年の間に44.0TWhから21.0TWhへと52.2%減少。また石炭火力は50.5パーセント、内燃力発電は20.9パーセント減少していて、『(それらの減少は)コンバインドサイクルやターボガスによる発電エネルギーの増加を実質的に補った』とIMCO側は強調しました。
またこれら3つ(従来火力・石炭火力・内燃力)による発電量の減少は、長期的な競売と卸電力市場(MEM)の発展の結果、よりクリーンで効率安価な発電所を利用できるようになったことに起因しているとされています。
ソース:Energías limpias se reducen en México por menor generación eólica y solar: IMCO – 20/04.2023 / El Financiero
メキシコ文化の注目ニュース
山海塾の市原氏、メキシコシティーで舞踏公演

メキシコ国立文化機関及び国立芸術・文学機関(INBAL)の助成を受け、舞踏・ダンス・演劇など多岐にわたる分野で活動している山海塾の市原昭仁氏が18日、メキシコシティーで舞踏公演を行いました。
14日から先駆けて実施されたワークショップに参加した30名以上の生徒及び、神戸女学院から2名の学生舞踏家らと共に公演は実施され、会場を埋め尽くす盛り上がりを見せていました。
メキシコでの舞踏人気はすさまじく、1時間半前から会場の外で大勢の観客がチケットを求めて列を成し、講演の1時間程前には既に会場の収容人数上限に達していたと噂されています。
1時間の講演は”Spiral Quetzalcóatl(渦を巻くケツァルコアトル)”というテーマで行われ、終了後には観客から拍手喝采が寄せられていました。
うちの彼女がメキシコの国立芸術機関が主催するワークショップに参加してたので、その成果発表公演を観に来ました💃🇲🇽
— eme @外大生の言語ブログ🌎 (@eme_log) April 19, 2023
日本の舞踏カンパニー"山海塾"の市川アキヒトさんの、"Spiral Quetzalcóatl"という作品です。
メキシコ初舞台、がんばってきてくれ〜💪#メキシコ pic.twitter.com/GkSq3n3oBl
とても印象深い公演でした😄
ソース:eme
参考ページ:市原昭仁氏
他中南米地域の注目ニュース
政情懸念とスタグフレーション、山積みの課題(ペルー)
ペルーでは、カスティジョ前大統領への弾劾成立及び身柄拘束をきっかけにデモが激化し、4か月前には国家非常事態宣言が発令されました。
観光業や鉱業部門に深刻な悪影響が出て、まだ足下では膠着状態が続いているものの最悪期からは脱しつつあるとの見方が現在はあります。しかし、商品高に伴うインフレが長期化していて、中銀は1年半にも及ぶ利上げ局面に追い込まれるなど物価高と金利高の共存状態となっています。
その結果、昨年の後半はリセッションに陥るなどスタグフレーションに直面しており、中銀は今年2月に利上げ局面の休止に動き、定例会合でも3会合連続で7.75%に政策金利を据え置いたものの引き続き難しい対応を迫られています。
ソル相場は米ドル高傾向の落ち着き・銅価格の上振れなどを理由に
堅調な動向が続いているようです
ソース:ペルー、スタグフレーションに政情懸念、実体経済を巡る状況は困難続き – 17/04.2023 / 第一生命経済研究所
今週のトピックス
ブラジル・メキシコの比較から見るラテンアメリカ経済概況
ラテンアメリカ全体のGDP規模は5.45兆ドル(2021年)で世界経済全体の5.7%を占めており、その内ブラジルのGDPは最大の1.61兆ドルで地域全体の29.5%になっています。
第2位はメキシコで1.27兆ドル、23.3%となっていて、この上位2カ国で半分以上(52.8%)を占めています。
昨年のブラジルとメキシコの実質成長率はほぼ同等
(ブラジル3.0%、メキシコ3.1%)でした。
両国の2023年の見通しを比較した際にはブラジルの実質成長率は0.5~1%に低迷していて、一人当たりGDP成長率はほとんどゼロになることが理由で不況色は濃いとの観測がある一方、メキシコは実質金利がブラジルほど高くないことに加え、米国経済の底堅さに支えられることから実質成長率は 1.5~2.0%を維持すると見られています。
また共通する中長期的課題は設備投資の不足で、2021年GDPに占める固定資本形成の比率ではブラジル19.2%、メキシコ 20.1%であり、中所得国の平均32.5%を大きく下回っています。
ブラジルの見通しはメキシコに比べて総じて厳しいものの、再生可能エネルギーへの取り組みでは大きく先行しています。2020年の発電量全体に占める再生可能エネルギーの割合は水力発電のシェアが大きく、元々再エネ比率が高かったブラジルの84.2%に対しメキシコは19.7%と出遅れぎみ。
メキシコは砂漠地帯での太陽光発電の潜在能力が高いと見られていて、投資加速が期待されている側面もあるニャ
ソース:ラテンアメリカ経済の概況〜ブラジルとメキシコを中心に~ – 13/04.2023 / 国際通貨研レポート-公益財団法人国際通貨研究所
最後に
今回は、『週刊メキシコ』第6報をお届けしました。
ここまで読んでくださってありがとうございました!!
これからも色んな記事をどんどん書いていきますニャ!
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それでは
hasta pronto,
eme-.